優待クロスで気を付けたい配当調整金
欲しい優待があり、その企業の株を優待クロスすると、手数料や賃株料などが取られることは、事前にご存知だと思います。
それ以外にも、配当金がある企業だと「配当調整金」を取られることになります。
配当調整金とは、信用取引を行った配当金を処理して、配当金から税金(配当課税分)を差し引いたものになります。
これが、結構高く付く場合があり、気を付けないといけません。
それは、たとえ優待をもらったとしても、配当調整金の方が高く付いてしまう。という場合もあるからです。
JTの例について
例えば、今月の優待で有名どころだと「JT」(日本たばこ産業)が、それに当ります。
JTの優待は100株所有で、1000円相当の自社グループの商品でした。
しかし、その内容を見ると、1000円以下で買える商品ですので、実質1000円までの価値はないと思います。
そして、配当金は1株で77円でしたので、100株所有だと「7700円」になります。
そこから配当調整金を計算すると、調整率は「約20%」になりますので「約1500円」ということになります。
優待をもらってもマイナス
それは、実質価値1000円以下の自社グループの商品を受け取って、配当調整金だけで1500円以上払うことになります。
そこに、手数料や賃株料などもろもろを払うと、証券会社によっては、支払いで2000円を超えることになります。
そこで、上記に書いた通り、配当調整金を考えて優待クロスしないと、マイナスになることもあります。
ですので、優待クロスするときは、配当金調整金を考える必要があると思います。
ただし、上記は株取引において利益が出ている場合であって、利益が出ていなければ、配当調整金は翌年1月に返還されます。
損益通算について
また、配当調整金は「損益通算」できますので、前年からの損失繰越などがあれば、相殺して還付することもできます。
損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することです。
株式投資を行って、利益が出た場合は税金が掛かりますが、損失が出た場合は、利益から差し引いて、税金を減らすことができます。
損益通算については、例えば私の場合でいえば、IPO投資をしていますので、毎年数万以上の税金を払っています。
そこで、その税金で損益通算すれば、配当調整金が還付されることになります。
最後に
優待クロスについては、安く優待を取れるのが魅力になると思います。
しかし、優待を取るために多くの配当調整金を払っていては、意味がないどころかむしろマイナスになることもあります。
そこで、上記の繰り返しになりますが・・・
配当調整金を考えて優待クロスしないと「失敗した!」となる場合もあということです。
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